あえてお勧めする準マニュアルカメラ
これから写真を始めようとされる方に向けて、あえてお勧めするのは一眼レフではなく、ミラーレス、それもレンジファインダータイプのこの機種に単焦点レンズの組み合わせです。価格的には14万くらいの構成です。
FUJIFILM X-E2 + XF35mm F1.4
オールドカメラのようなボディに少し大きめの単焦点レンズのこの組み合わせは、写真撮影を最も楽しめる構成のひとつです。
ファインダー
APS-Cサイズのセンサーを搭載したX-E2は液晶モニタ以外にレンジファインダータイプのEVFを備えており、焦点距離35mm(35mm換算56mm)レンズであれば両目を明けて撮影することができます。ファインダー像は極めて高精細で、表示のタイムラグも0.005秒と非常に高速で、何より大きくて見やすいのが特徴です。
APS入門機の場合、このファインダー像が非常に小さくてフォーカスを合わせることが困難なのですが、X-E2のファインダーはEVFも液晶も明るくて見やすく、マニュアル時にはフォーカスピーキング機能によって、焦点の合っているエリアに輪郭線を描いてくれます。
操作性
見た目はゴツゴツして軍艦部などはLeicaMシリーズを思わせますが、驚くほど手に馴染みます。絞り優先、シャッター速度優先、プログラムオート、フルマニュアルを手元を見ずに瞬時に変更でき、最近のカメラファームはどんどん搭載が進んでいますが、ISO感度の自動設定も可能です。また高級フルサイズ機に実装される内蔵水準器もあり、マニュアルフォーカス時は親指フォーカスが使用できます。最小のインターフェースで多くの操作をこなせるように、よく練りこまれた設計になっています。
センサー
フジフイルムが開発したX-Transセンサーですが、Canonセンサーと同等かそれ以上に人物の肌が美しく撮影でき、ISO6400でも全くノイズが発生しません。相当暗い場所での撮影も平気です。風景の撮影においても暖色、寒色問わずしっかりとらえ、鮮やかな描写力を持っています。センサーの特性上モアレが発生しにくく、ローパスフィルターが無いため、フォーカスピークにおいて非常に精細な画を描きます。
XF35mmレンズ
本体に対して若干大きめのレンズですが、開放値F1.4という明るさで多少の暗所も影響を受けず、これがAPSサイズかと疑うほどの豊かなボケを生み出します。絞りリングは滑らかで(滑らかすぎ?)スルスル回転し、フードがなくても逆光の影響など受けません。
発売開始当初はオートフォーカスが遅く、迷うことが多かったのですが、その後のアップデートで高速になりました。ただ、ぐんぐん動く被写体を追いかけるほどのフォーカス性能はありません。
短所
通常の一眼レフと比較したときの短所があります。購入する前に知っておく必要があります。
オートフォーカスが遅い
フルサイズ機のレンズと比較すると遅すぎるので、速く動く被写体、子供や猫などを撮影するのは少しむずかしいです。追従型のAFもありますが、あんまりついて行けてないようです。APS入門機に比較すると遜色ありませんが、いくつかの理由で素早い被写体は苦手です。
シャッターが少し遅い
デジタル一眼レフに比べると、シャッターボタンを押してからシャッターが実際に切られるまでの微妙なタイムラグが気になるかもしれません。それほど遅くはありませんが、タイミングを見計らって切っても少しタイミングが遅れて撮影されます。
ナチュラルに連写できない
一眼レフであればシャッターボタン押しっぱなしで可能な連写機能がありません。代わりに連写モードがあるのですが、画面を見ながら切替を行うため、常用するものではないようです。一枚一枚を大切に撮影するためのカメラですから、アホみたいに連写して似たような残念な写真を大量に共有サイトに並べるといった恥ずべき行為を避けることができるでしょう。
バッテリーの減りが早い
表示をEVFに固定すれば多少改善されますが、電源を入れたままだと液晶表示でバッテリーをみるみる消費します。ミラーレスの宿命ですから、使用しないときは電源を切っておく方が良いと思われます。ただし、電源OFFの度にセンサークリーニングが発生するので、ON/OFFを繰り返すとやはりバッテリーは早く減ります。
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