やってはいけないコト

写真を趣味にしたとき、どうすれば良い写真が撮れるかということを考えるようになるものですが、自分自身が求める写真というゴールが明確であれば、それは自ずと見えてくると思います。しかし、多くの場合はそれほど高尚な目的意識を抱かず、私自身がそうであるように、とりあえず片手間の趣味として楽しめるけれど、それなりの写真が撮りたい、くらいに考えているものと思います。

それなりに良い写真というものは「三分割法」を意識するだけで撮ることができますが、それだけではスグに頭打ちになってしまいます。

私自身が写真を撮影する際に心がけていることは、「間違えないこと」と「最低限のマナーを守ること」の二つです。写真理論もなにもわからない完全な素人の時代からそれほど時間を経ていない毛が生えた程度ですが、そういう時期にしか書けない初心者の気持ちを心がけた記事をまとめてみました。完全な初心者にとっては、どうすべきか、よりも、なにをしてはいけないか、を明確にしたほうが、上達は早いと感じる次第です。

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ベテランさんの言葉はなぞなぞに等しい

多分ベテランになると、どうして初心者がそのような間違いを犯してしまうのかわからないか、完全に忘れてしまっています。プロだと尚更です。あまりにレベル差がある人の言葉は、我々初心者にはなかなか届きません。

ハッセルってのはファインダーで見たまんまが写るだろう?ついついそこで
絵づくりしちゃってさ。気をつけないとさ、カメラの方に撮らされちゃうんだよ!危険だよー。
そこいくと、まだ2眼の方がいいよ。ほら、あれはさ、覗いた絵と微妙にずれてるだろ?

荒木経惟 – 光画ホリデー

もうこんな話読まなきゃ良かったと思わせる内容ですが、レンジファインダーを手にした最近になってようやく「カメラの方に撮らされちゃうんだよ」だけ少し理解できるようになってきました。感覚的なものですが、ファインダーを覗いてどうしようかこうしようかと考え始めたらその画は大体恣意的であざとい感じに仕上がります。

全部がダメというわけじゃない

まとめた中には場合によってはその方が良いとされるケースだったり、その常識を破らないともう一歩先には進めないものであったり、絶対制約的にNGというわけではありません。個人的なガイドラインとして「写真がおかしくなったらもう一度思い出して、こいうことやってないか顧みる」ということをまとめてあります。ですから、ここに書かれた内容をまるごと鵜呑みにしない方がいいです。そうでなくてもややアグレッシブな内容に溢れています。

世の中には写真の神様に愛でられているのか、カメラを手にしておよそ10ヶ月程度で個展が開けるレベルの素晴らしい写真を撮る人もいれば、5年も6年も撮り続けているのに、未だにカメラを傾け、ホワイトバランスを変えっぱなしにして、アンバーがかった色味になんの現像処理も施さない人もいます。彼らの違いは明確に三つあります。

  1. 前者は直感的に失敗を避け、後者は何を以て失敗かわかっていません。
  2. 前者は撮りたいものが明確で、後者は何を撮りたいかカメラを構える前に決めていません。
  3. 前者は肩の力が抜けて無為で、後者は自己表現に必死です。

ただ撮るということが難しいこと

「写真なんて感覚的だから人それぞれ」という甘い言葉は賞のひとつも獲ったことのある人に赦されるもので、そうでない我々が評価の主体を主観に求めるなら、写真を人に見せてはいけないとおもいます。不思議な話ですが、誰かに評価されたり批判されることを畏れる人ほど、評価や批判に遭いやすい写真を撮るようです。

なんども見返してしまう、見ていて涙が溢れてしまうような写真には「ただ撮っているだけ」という共通項があります。それは写真を趣味にしてしまい、一度でも良い写真の撮り方についてのノウハウを蓄積してしまった私たちには戻ることがとても難しい少年時代の純粋さに通じるものがあり、そこに近しい写真を撮るには汚れてしまった己が心から実に様々なものを間引く必要があるようです。

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目次

間違った写真の撮り方

最低限のマナー

間違った撮影スポット

カメラの選び方