最高の瞬間をとらえるために、現代のカメラは高速な連射性能を備えているのですが、その機能性によって連射した写真すべてを共有サイトにUPするという無料サービスに対するテロ行為を繰り返す人が増えています。早速わたしもやってみましょう。
桜の花片が舞う瞬間を捏造するという最低な行為を記録した連射作品です。あまつさえ傾いてます。どうしてこんなに雑なんでしょうね。
連射することをやめるべき3つの理由
カメラの連射機能というのはスポーツ撮影やカワセミのダイブなど、極めて限られた瞬間的動作をとらえるための機能であって、なんでもかんでも連射するのは写真の品質を下げる原因になります。
1.連射しても何も変わらない
最初にフォーカスと露出を合わせると、連射の2射目以降は最初の設定のままミラーだけがパシャパシャ開閉して同じ設定の写真を連射します。最初の設定を間違うと、その後の10枚だか20枚は全部失敗します。
2.連射しても最高の瞬間は訪れない
ジャンプして空中で静止した写真を撮影するとき、毎秒11連射よりも、狙った一写の方が最良の瞬間をとらえることがあります。0.090909…秒のデジタル分解よりも、シャッターを切る人間の分解能の方が現時点では高性能です。
それに、動きをとらえるために連射機能に頼るのは、写真撮影の楽しさを大きく損なうかもしれません。その機能はプロが時間内に撮影するために用意されているもので、楽しむための機能ではないからです。
3.連射に慣れるとシャッターの価値が下がる
飛ぶ鳥などの撮影で連射機能を駆使していた時代、とにかくレンズに収まっている間にシャッターを押しっぱなしにすればいいという大雑把な感覚で撮影していましたから、静物撮影や人物撮影においてもやたらと連射するようになってしまいました。スピード勝負のスポーツ感覚ですから、最終的に仕上がった作品は、おなじ被写体を撮ったiPhoneの動画に劣るでしょう。