カメラを傾ける人ってなんなの?ノルマンディーにでも上陸したの?

間違った写真の撮り方

今時のカメラには水準器がついている、にも関わらず、被写体を画面一杯に封じ込めるために、カメラを斜めに構えてしまう人は後を絶ちません。

何を以て斜めなの?

まず第一に「斜め写真」の定義について。
水準器が重力を基準としている以上、地面がその絶対基準になります。しかし地面が写っていない写真、被写体そのものが斜めになっている場合においてはこの限りでなく、状況によって判断する必要がありそうです。

どうして斜めはいけないの?

人がみているものを自然な状態で撮影しないと、非常に歪な印象を与えます。斜めの写真を見る人は、その写真を頭の中で真っ直ぐに変換しようとしますから、1枚ならともかく2枚も3枚もとなると疲れてきます。

古い絵画をご覧ください。斜めの状態で描かれているものなど一枚もありません。もしあったとすれば、それを斜めで描かざるを得ない重大な秘密があるはずです。
映画でも同じように、画面自体が斜めになることはありません。3Dのゲームでもそうです。CoD4MWの冒頭では沈没船ですから、大きく傾きます。多くのFPS初心者がこの斜め具合に3D酔いを加速させ、始まる前に散っていきます。そうです、斜めって見ていて気持ち悪いんです

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どうして斜めになるの?

自然に撮っていれば自然と真っ直ぐ撮ろうとするのですが、多くの初心者は「画面全体に被写体を収めるため」に対角線を使ってしまい、写真が斜めになります。斜めにするくらいなら被写体を全部入れる必要はありません。あなたが撮っているのは写真であって、殺人事件の証拠品撮影ではないのです。

もう一つの大きな理由が「縦軸回転」です。
あなたが上や下を向いて撮影するとき、それまで水平だったカメラを大きく傾けてしまうことがあります。これはカメラの先に水平線が見えなくなるからです。こういった場合でも、可能な限り水平に保つ努力をした方が良いです。
被写体に対して斜め下などから広角レンズで撮影するとおおきなアオリがついて迫力のある写真が撮れますが、このときでさえ観る人は僅かな傾きを敏感に感じ取ってモヤモヤした気分を抱きます。

撮影時、シャッターを押す力で斜めになることがあります。こればかりは慣れるしかありません。ただ完全に合わせる必要のある写真は仕事用の写真ですから、あまり完璧を期す必要はないと思います。僅かな傾きであれば、現像時に調整することができます。

どうすれば水平に撮れるの?

方法はいくつかありますが、私が知る限りでは4つ方法があります。

カメラの水準器に頼る

高級機や今時のデジタルカメラにはついてます。デジタル水準器ですので、それほど精度はよくありませんが、無いよりマシです。高級機の場合はファインダーを覗いた状態で水準器が見えますから、構えたまま合わせることができます。もちろんライブビューに表示することもできます。

三分割線を表示して、水平あるいは垂直な被写体に合わせる

水準器が使えないアナタ。仕方がないので体感であわせるしかありませんが、普通にファインダーの四隅で合わせるのはなかなか困難です。そういった場合、3分割線をファインダー内やライブビュー内に表示して、その線を射界の水平あるいは垂直な物体に合わせることで水平を獲得します。

被写体に真正面から真っ直ぐに向かう

被写体にぴったり真っ直ぐ真正面から向かい合って撮ってみてください。比較的容易に水平を得られますし、良い写真が撮れます。「真正面でぴったり」という制約を意識するだけで、写真の幅が増えます。なぜなら、その種の制約は、撮り手に被写体を切り取ることを強制するからです。

現像時や出力時に水平補正する

最後の手段、撮った写真が微妙に斜めになってしまったときなど、パソコンに取り込んだ写真の傾き補正をかけることで解決します。現像ソフトでも可能ですが、Macの「写真」アプリにも傾き補正をかける機能はあります。

コメント

  1. […] 別記事でもお伝えしたとおり、全力で斜めになっていますが、全然入りきっていませんし、何の全容を収めようとしたのかもわかりません。しかも右下になんか心霊らしきものが写っています。これ多分家の玄関だと思いますが、被写体が近すぎたために、「思い切って切り取る」ということに挑戦したのだと思います。結果がコレです。 […]

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