街中で見かけるイベント、あるいは美術館内やライブ会場など、写真撮影が禁じられている場所は思っている以上にたくさんあります。こういった場所がなぜ撮影禁止とされているかわかりますか?
最低限のマナーすら守れない撮影者が多いからです。
ある種、自業自得な部分もあります。今やスマホで誰でも写真らしきものが撮影できる時代ですから、総ての撮影者にマナーを守って貰うのは効率的でありません。それならいっそ撮影禁止にしてしまおうと考えるのは自然なことです。
最低限のマナーとは何か?
これからマナーカテゴリでこれ何回も繰り返しますから覚悟してください。
写真撮影における最低限のマナーは
射界に入る人をどける行為
です。もしこれをやってしまったアナタ、今すぐカメラを窓から投げ捨てて、スマホを膝でえいしゃ!とへし折って、金輪際永久に写真など撮らないでください。アナタに写真を撮る理由も資格も価値もありません。写真に向いていません。やめてください、写真やめてください。大事なことなのでもう一度いいますが、射界から人をどけるなら、写真やめてください。二度と撮らないでください。迷惑です。最大級に迷惑です。
撮影禁止のモノを撮りたいが
写真を撮らない、ということは勿論ですが、カメラ自体もしまえるならしまった方がいいです。係員に無用な疑念を抱かせますし、周囲の人の迷惑にもなりかねません。
それでもどうしても撮りたいアナタ、撮影した写真を個人的に保管する以上に拡散しないことを前提とするなら、比較的小さなミラーレスカメラなどで一瞬で一枚だけ撮ってしまえば誰も気づきません。カメラを被写体に向けて0.5秒以内に撮影を完了し、1秒後にはカメラをバッグにしまってください。誰にも気づかれない、ということが前提条件です。
撮影禁止をかたくなに守ってよい子でいることはたいへん素晴らしい心構えですが、写真を始めた時点でこの撮影禁止との戦いが始まっています。避けて通ることはできません。もし総てを避けて通る品行方正な撮影者でいられるならそれでよいでしょう。しかし、世間が眉をひそめるような撮り方をしたスノッブが価値を獲得するというのもこの世界のジレンマですから、写真で食べている人は撮った結果殴られたり訴えられたりすることを覚悟の上でシャッターを切っていることを忘れないでください。
知らない人を撮りたい
人物を撮影するのはモデルを雇うか、本人の許可を得て行う必要がありますが、たとえば街で撮影した写真に人が写り込んでしまうのはどうでしょう。街中で撮影した写真は絶対に知らない誰かが写ってしまいます。それを総て排除すれば、人のいる場所では写真を撮影することが不可能になってしまいます。人物の撮影、あるいは人物が写り込んだ写真の撮影の間に明確な線引きはできません。どちらも人物を撮っているという認識が必要だと思います。
ひとの写真を撮るのは恐ろしいことでもある。なにかしらの形で相手を侵害することになる。だから心遣いを欠いては、粗野なものになりかねない。
アンリ・カルティエ=ブレッソン