事故にあって大けがをしたり命を落としたとしても決して助けを求めないでください。それが廃墟です。
素人さんお断り!
床を踏み抜いたら死亡、柱が折れたら死亡、天上が落ちてきたら死亡、トラップだらけの世界へようこそ。
もし複数人で撮影に訪れたら、最低一人は屋外で待機し、出入り口にぼんやり立たないようにしてください。そこは逃げ道です。上の方からパキっと音がしたら瞬時に外に出てください。崩れます。手袋とマスクは必須です。どんな種類のカビが胞子をまき散らしているかわかりません。釘を踏み抜くのが怖いからって鉄板張りの重い軍靴を履かないでください。それは大概の床を踏み抜きます。それから廃墟は私有地ですから、人に見つかれば通報されて不法侵入者としてしょっ引かれます。それほどまでに危険を冒しても廃墟を撮影したいならどうぞ。ただしあなたがそこへ訪れた痕跡を一切残さないでください。
廃墟の魅力
そこが廃墟になった時点で時間が永久にとまった世界です。
平凡パンチ、ファミコンのカートリッジ、カラオケマシン、昭和歌謡曲のカセットテープ、レコード、停電用の蝋燭、プラモデル、テープデッキ、筒状の掃除機、古い鏡台、ミシン台、チャンネルを「回す」テレビ、昭和の教科書、割り算ができない機械式計算機、ナショナル乾電池、何もかもが古くて懐かしい空間が奇跡的に残されていることがあります。
タイムマシンのような面に魅力を感じているのであれば、近所の廃屋には何の興味も湧かないと思います。できたての廃墟にはなんの魅力もありません。単純に朽ちた建造物が好きなのであれば、外から撮った方がいいです。わざわざ危険を冒して侵入する必要はありません。
内部訪問
中に入る場合はアナタが中に入った形跡を一切残さないでください。足跡も残さないように気をつけてください。落ちているものには手を触れないでください。たわむ床板を絶対に踏まないでください。ゴミを捨てないでください。総ての訪問者はアナタの写真サークルに何の興味もありませんから、宣伝の貼り紙など全く無駄です。貼った5分後に別のグループが剥がして破り捨てます。
禁じられたモノを撮るや禁じられた場所で撮るでも書きましたが、これらの行為はしばしば不法侵入などの違法行為となりますから、決して勧められることではありません。また単独で訪れることも危険を伴います。
2、昼間に複数人(3人以上)で行く
際どい場所を通り抜けるとき、先に通った相手に荷物を受け渡し、身体だけ移動する。そういった動きの必要な場面も出てきます。それほどリスクを伴うのが廃墟。廃墟に魅せられた者はそんな状況でも関係ないのですが…。ただ、安全は保証したいので必ず複数人で行くことです。2人だと万一何かあった場合を想定すると良くないので、最低3人が理想的です。また夜になると、色々な意味で危険なので、必ず明るい昼間に行くこと。午前から15時くらいの間に行きましょう。
我々が心にとどめておくべきことは、罪悪感を忘れないことです。悪いことしてる、と思わなくなった大人ほど醜いものはありません。